介護施設のホームページは、もはや「名刺」ではありません。利用者・ご家族の施設選びの入口、ケアマネジャーが連携先を確認する拠点、求職者が応募を判断する場でもあります。さらに2025年4月からは運営規程や重要事項のWEB掲載が法令で義務付けられ、「信頼を支えるインフラ」としての役割が強まりました。
本記事では、介護施設のホームページ作成で押さえるべき必須コンテンツ・費用相場・制作会社の選び方、そして「らしさで選ばれる施設」になるための差別化戦略を、福祉業界の制作事例とともに解説します。リニューアル検討中の方はサイト制作リニューアルで失敗しないポイントもご参照ください。
介護施設のホームページが今、経営の要になっている理由
2025年4月から完全義務化されたWEB掲載対応
2024年度(令和6年度)の介護報酬改定で「書面掲示規制の見直し」が示され、1年間の経過措置を経て、2025年4月からはすべての介護サービス事業所が、運営規程や重要事項等の情報をインターネット上で掲載・公表する義務を負うことになりました(出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」)。施設・居宅サービスを問わず全事業所が対象で、対応漏れは運営基準違反として指導対象になるとされており、自施設のホームページか介護サービス情報公表システム上に掲載するいずれかの方法が認められています。
採用ツールとしての役割が一段と重くなっている
介護労働安定センター「介護労働実態調査(令和5年度)」によれば、従業員の過不足感について「不足」と感じている事業所の合計は約64.7%、特に訪問介護員では8割超の事業所が不足感を抱えています。求職者は応募前にホームページで施設の雰囲気・働く人の表情・教育体制を確認します。求人票では伝えきれない情報をホームページが補完します。
利用者・ご家族・ケアマネジャーの情報源としての役割
施設選びの場面でも、ホームページは中心的な情報源です。施設選びを主導するご家族世代は複数の施設をWebで比較し、見学前に絞り込むケースが少なくありません。ケアマネジャーが紹介先を探す際も、最新の空き情報やサービス内容をWebで確認するのが日常的です。Web上で正確かつ最新の情報を開示しておくことが、地域連携の前提条件になります。
介護施設のホームページに必要な「3つのターゲット」

利用者ご本人は生活の質、人とのつながり、自分らしく過ごせるかを重視し、ご家族は安全性、医療・看護体制、料金、立地、面会のしやすさを重視する傾向があります。両方の関心事に応える情報を、写真・動画・文章でバランスよく配置します。
ターゲット②:ケアマネジャー・地域連携の窓口
施設を紹介する立場のケアマネジャーや病院の地域連携室は、サービス内容、医療連携体制、空き情報、対応エリアといった実務情報を求めます。利用者向けページとは別に、専門職向けの情報をまとめたセクションを設けると、紹介の判断がスムーズになります。
ターゲット③:求職者
求職者は応募前にホームページで「この職場で働く自分」をイメージできるかを確認します。働く人の表情、1日の流れ、教育体制、評価制度、キャリアパスが具体的に描かれているかどうかで、応募率は大きく変わります。
ターゲットごとに伝えるべき「らしさ」が変わる
3つのターゲットすべてに同じトーンで語っても、誰にも刺さりません。利用者・ご家族には安心感と人柄、ケアマネジャーには専門性と信頼性、求職者には現場のリアルが届くように、それぞれ見せ方を切り替えながらも、施設全体としての「らしさ」が一貫していること。この設計ができるかどうかが、ホームページの完成度を決めます。
介護施設のホームページに掲載すべき必須コンテンツ
施設・サービス案内(写真・動画で雰囲気を伝える)
提供サービスの種類(特養/有料老人ホーム/グループホーム/デイサービス/訪問介護など)、居室や共用スペースの様子、1日の過ごし方を写真や動画で伝えます。施設で過ごす方々の表情、スタッフとの関わり、四季の行事や日常の風景を組み合わせることで、「この施設で過ごす自分や家族」がイメージできるホームページになります。写真・動画の活用については写真・動画で差がつくコーポレートサイトもご参照ください。
ご利用料金とサービス内容
料金情報は、ご家族が比較検討する際に必ず見るポイントです。月額費用、初期費用、加算項目を、可能な範囲で具体的に開示しましょう。「お問い合わせください」だけでは、競合との比較段階で離脱の原因になります。
スタッフ紹介・施設長メッセージ
介護は「人」が提供するサービスです。施設長の理念、現場スタッフの想い、専門資格を持つ職員の体制を可視化することで、利用者・ご家族は安心して入居の判断ができ、求職者は「自分が働く先輩」をイメージできます。実績やお客様の声を載せて信頼を獲得する考え方は、実績・お客様の声ページを活用した信頼獲得法でも整理しています。
運営規程・重要事項等の情報公表(義務対応)
2025年4月から義務化された運営規程・重要事項のWEB掲載は、専用ページを設けて整理するのが望ましい形です。料金、サービス内容、苦情処理体制、虐待防止措置、BCPなど、サービス種別ごとの項目を網羅し、改定時に速やかに更新できる運用体制も整える必要があります。
採用情報・職場の雰囲気
採用情報はトップページから1クリックでアクセスできる導線にします。募集職種・給与・勤務体系に加えて、先輩スタッフのインタビュー、研修内容、キャリアパス、施設で働く1日の流れなど、求職者が「働く自分」を具体的に想像できる情報を充実させます。
問い合わせ・資料請求・見学申込みの導線
ホームページを訪れた方が「次の一歩」を踏み出すための導線設計は、見落とされがちですが極めて重要です。電話・メール・資料請求フォーム・見学予約フォームなど複数の導線を用意し、各ページの読み終わりに自然に配置します。スマートフォンからの操作のしやすさも必ず確認してください。
介護施設のホームページ制作にかかる費用相場と期間
制作費用の目安レンジ
一般的なコーポレートサイトの目安レンジは50〜300万円程度で、ページ数・撮影/動画の有無・採用ページの有無で上下します。たとえば、8ページ前後のシンプルな構成で約100万円台、施設紹介・採用・運営規程ページなどを含む13ページ前後で約140万円台が一例です。撮影・原稿制作・動画制作を別途依頼する場合は、それぞれ追加費用がかかります。費用相場を業者種別ごとに整理した記事としてはじめてのホームページ制作!費用相場ってナンボ?もあります。
制作期間の目安
制作期間は、要件定義から公開までで概ね3〜4ヶ月が目安です。撮影や動画制作を含む場合、季節や行事に合わせた撮影スケジュールを組む必要があるため、もう少し時間を見ておくと安心です。
費用が変動する要因
費用を左右する主な要因は、ページ数、デザインのオリジナリティ、写真・動画・原稿の制作範囲、CMS(更新システム)の有無、運営規程ページの設計、公開後の保守・運用契約の有無です。
失敗しない制作会社の選び方
選定時に確認したい4つの視点を整理します。
介護業界・福祉業界の実績があるか
介護業界には、複数のターゲット、法令対応、人材難、地域連携など、他業界とは異なる固有の論点があります。これらを理解している制作会社かどうかは、提案内容のリアリティに大きく差が出ます。実績ページを確認するときは、業種だけでなく、その施設がホームページで何を実現したかという成果ストーリーまで見るとよいでしょう。
目的(集客/採用/信頼)に合った提案ができるか
新規入居者を増やしたい、ケアマネジャーからの紹介を増やしたい、採用応募を増やしたい——目的の整理から逆算する考え方は、中小企業のコーポレートサイト制作は「目的」から逆算が命!でも解説しています。これらの目的を整理し、それぞれに最適な構成と表現を提案できる制作会社が理想的です。
写真・動画・原稿などコンテンツ制作の対応範囲
介護施設のホームページで最も「伝わる材料」になるのは、施設の日常を切り取った写真・動画と、想いを丁寧に綴った原稿です。撮影・動画・原稿執筆まで一気通貫で対応できる制作会社であれば、「素材が揃わずに制作が止まる」事態を避けられます。
公開後の運用・改善提案を仕組みとして持っているか
運営規程の更新、新規スタッフ紹介の追加、行事レポートの掲載、SEO改善——これらを継続できる体制があるかどうかで、3年後・5年後のホームページの価値は大きく変わります。半年・1年単位で効果検証や改善提案をしてくれる体制があるかを、契約前に確認しておきましょう。
介護施設のホームページ制作・リニューアルでお悩みの方へ
OKデザイン(株式会社ええやん)は、累計取引社数350社以上・プロジェクト400件以上の実績を持ち、戦略づくりから原稿・写真・動画などの素材制作、公開後の運用改善まで一気通貫で伴走しています。介護・福祉業界の制作実績もあり、「伝わりにくい」を「ちゃんと伝わる」に変える設計を得意としています。
関連サービス: コーポレートサイト制作 / 採用サイト制作
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介護施設のホームページで「らしさ」を伝えるための差別化戦略
派手さではなく「らしさ」で選ばれる施設になる
介護施設のホームページでよくある失敗が、「とにかく明るく、温かく、優しいイメージで」という方向に振り切りすぎることです。結果として、どの施設も似たトーンになり、印象に残りません。重要なのは、その施設にしかない雰囲気・理念・関わり方を見極めて、必然性のある形で表現することです。それを「らしさ」として言語化し、写真・文章・配色・動画にまで一貫して落とし込むことで、利用者・ご家族・求職者に「ここがいい」と感じてもらえるホームページになります。
施設の理念・想いを言語化する
どんな施設にも、設立の想い、日々のケアで大切にしている価値観、地域との関わり方があります。これらは現場の方にとって当たり前すぎて、言葉にしてこなかったものが多いはずです。第三者がヒアリングを重ねて引き出し、ホームページの言葉として定着させることで、施設の独自性が見えてきます。土台になる考え方はブランディングとは?を超簡単に解説!もご覧ください。
戦略から表現まで一貫させる「ええやんメソッド」
OKデザインでは、事業・ブランド・顧客心理を整理し、独自性を構築する独自設計プロセス「ええやんメソッド」を用いています。施設の現状、地域の競合状況、ターゲットの心理を分解したうえでコンセプトを決め、デザイン・原稿・写真選定にまで一貫して落とし込みます。「いいことを話し合ったのに、できあがったサイトの印象が薄い」というよくあるズレを防ぐ仕組みです。
公開後にホームページを「育てる」運用・SEO施策
定期更新と情報の鮮度保持
運営規程の改定、新規スタッフの紹介、行事レポート、空き情報の更新——これらを継続的に発信できる運用体制を、最初から組み込んでおくことが大切です。WordPressなどのCMSを使えば、施設側でも一定の更新が可能です。負担なく続けられる運用設計が、長く使えるホームページの条件です。
SEO対策で「地域名×施設タイプ」で検索される状態へ
「○○市 特別養護老人ホーム」「○○区 デイサービス」のように、地域名と施設タイプを組み合わせた検索で表示されることが、新規入居・利用相談の入口になります。施設名だけでなく、検討初期の方が使う検索ワードでも見つけてもらえる状態を作るには、コンテンツ設計と内部対策の両方が必要です。新規ドメインの検索表示までの期間は新規ドメインはいつ検索に出る?もご参照ください。
効果検証と改善提案のサイクル
アクセス解析や問い合わせ件数の推移をもとに、半年・1年単位で振り返ります。OKデザインでは、納品後にアンケートや効果確認の機会を設け、改善点があれば追加の提案を行うサイクルを仕組みとして持っています。作って終わりではなく、育てていけるホームページを目指す姿勢が、長期的な成果に結びつきます。
介護・福祉業界での制作事例
ケア南海株式会社様 | 福祉業界の楽しさをキャラクターで表現
大阪を拠点に介護・福祉事業を展開するケア南海様は、10年経過した古いホームページのリニューアルとイメージキャラクターの制作をご依頼くださいました。「福祉業界の楽しさをイメージしたような明るい雰囲気、地元大阪らしさのあるサイトをつくりたい」というご要望に合わせ、ディレクションから企画・原稿制作・デザイン・コーディングまで一気通貫で担当しました。
1. 大阪らしさと業界のイメージ刷新
「介護・福祉」と聞いて連想されがちな落ち着いた色調・カチッとしたデザインの先入観をあえて外し、明るく親しみやすい色使いとオリジナルキャラクターを前面に出す方向に振り切りました。結果として、業界の中でも一目で見分けがつく、唯一無二の世界観のホームページに仕上がっています。
2. 採用コンテンツで人材獲得を後押し
採用関連の「ケア南海のしごと」ページでは、強みである事業基盤の大きさ・安定感、そこで働く人に提供できる安心感を中心に据え、求職者がページの冒頭でその魅力を認識できるよう訴求順序にもこだわっています。
3. ジョブチェンジの魅力をビジュアルで体現
ケア南海様の特徴である社内ジョブチェンジの可能性を、各職種のユニフォームを着たオリジナルキャラクターで表現しました。「ここなら自分の働き方を変えながら長く続けられそう」と感じてもらえる職種紹介ページが完成しました。
制作事例の詳細: ケア南海株式会社様 制作事例
ゆめそう訪問看護ステーション様 |「心の痛いところに湿布を貼るように」をイラストで
大阪府堺市近隣で心の病の患者さんへの訪問看護を行うゆめそう訪問看護ステーション様の事例です。「サービスの優しさ・柔らかさをイラストで伝えたい」というご要望をきっかけに、企画・イラスト作成・デザイン・プログラミングまで担当しました。
1. サービスの優しさをデザインで体現
看護方針である「心の痛いところに湿布を貼るように」というメッセージを、可愛らしいオリジナルイラストで表現しました。サイト全般で角の無い円形を各所に用い、ふんわりと柔らかな印象が一貫して伝わる設計にしました。
2. 表現しづらい事業内容を自由に伝える
精神科訪問看護という、文字だけでは伝わりにくい事業内容を、イラストの力で自由に・わかりやすく伝えた事例です。介護施設のホームページでも、サービスの繊細さや人柄を表現するうえで参考になる考え方です。
制作事例の詳細: ゆめそう訪問看護ステーション様 制作事例
介護施設のホームページ作成でよくあるご質問
Q1. ホームページがなくても「介護サービス情報公表システム」だけで義務化対応はできますか?
制度上は、自施設のホームページを持たず、情報公表システム上に運営規程・重要事項を掲載する方法も認められています。ただし、利用者・ご家族・ケアマネジャーが直接訪れるのは多くの場合、自施設のホームページです。情報公表システムだけに依存すると、施設選びの場面で見つけてもらいにくくなる点には留意が必要です。
Q2. ホームページ制作後の運営規程の更新は誰が行うのですか?
WordPressなどのCMSを導入したホームページであれば、施設側でも専門知識なくテキストやファイルの差し替えが可能です。運用が難しい場合は、保守契約の範囲で制作会社に更新を依頼することもできます。法改定や報酬改定のタイミングで対応漏れが起きないよう、更新フローを最初に決めておくと安心です。
Q3. 遠方の介護施設でも対応できますか?
OKデザインは大阪を拠点としつつ、オンライン中心で全国の事業者様を支援しており、必要に応じて遠方への訪問も可能です。介護施設のホームページは現場の空気感を写真や動画で伝えることが価値の中心になるため、撮影日程も柔軟に相談しながら進めています。
まとめ | 介護施設のホームページは「信頼の入口」であり、「採用の窓」でもある
介護施設のホームページは、利用者ご本人とご家族の安心、ケアマネジャーとの連携、求職者の応募、法令対応という、性格の異なる役割を一身に背負う存在です。だからこそテンプレートで作るだけでは、施設の価値を伝えきれません。施設の「らしさ」を見極め、3つのターゲットそれぞれに必要な情報を揃え、写真・動画・原稿で空気感を伝え、公開後も育てていく。この一連の流れを設計できるかどうかが、ホームページが「信頼の入口」「採用の窓」として機能するかの分かれ目です。
介護施設のホームページ制作・リニューアルのご相談は、OKデザインへ
「施設のらしさを言葉にしたい」「義務化対応も含めて任せたい」「公開後の運用や採用強化まで一緒に考えてほしい」——OKデザインは戦略から原稿・写真・動画の制作、SEO・採用ブランディング、公開後の運用改善まで一気通貫で伴走します。累計取引社数350社以上・プロジェクト400件以上の実績で、現状の課題整理からご相談ください。
関連サービス: ブランディング / SEO対策 / WEBマーケティング支援

