ホームページは単に「かっこいい」「おしゃれ」に作れば良いというものではありません。
特に製造業の企業サイトでは、営業での新規取引獲得や人材採用、ブランド認知など、具体的な目的を達成するための戦略的な活用が重要です。
実際、近年は製造業でも新規取引の約70%以上がWeb経由で始まると言われ、コロナ以降は約90%の製造業企業がWebマーケティングの必要性を感じているとの調査もあります※。
また、企業や製品に対する印象・評判が取引先選定に影響すると回答した人は86%にのぼり、そのブランドイメージの情報源として62%の人が「企業のWebサイト」を挙げています。つまり、ホームページ次第で「信頼できる取引先かどうか」や「魅力的な会社かどうか」といった評価が大きく左右されるのです※。
本記事では、中小製造業の経営者の方向けに、ホームページ制作・リニューアルを成功させるために押さえておきたいポイントを解説します。
営業ツールとして成果を出すコツや採用サイトの工夫、ブランディングにつながるサイト作りのポイントから、実際の成功事例、費用の考え方まで幅広くご紹介します。ぜひ自社サイトづくりのヒントとしてお役立てください。
※出展 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000055603.html
製造業ホームページ制作の主な目的と重要性
まず、なぜ製造業の企業がホームページに力を入れるべきなのか、その目的と重要性を整理してみましょう。
ホームページ制作の目的は会社によって様々ですが、大きく分けると以下のような3つの目的が代表的です。

- 営業・集客を強化したい(新規リード獲得や問い合わせ増加)
- 人材採用を強化したい(求職者へのアピール)
- 認知度・ブランディングを向上させたい(企業や製品のイメージ向上)
営業・集客にホームページを活用する
「ホームページを営業ツールとして活用したい」という目的は製造業で最も多いケースです。実際、新たな発注先を探す企業担当者の75%がまずGoogleなどの検索エンジンで情報収集し、58%が企業のホームページを直接チェックするというデータもあります。つまり、見込み顧客にとってホームページは最初の接点であり、「この会社に問い合わせしてみよう」と思うかどうかの分かれ道になります。
例えば、ある製品を探して訪れた見込み客が、情報が古く見にくいサイトにたどり着いた場合、「求めていた会社とは違うかもしれない」と感じて他社へ離脱してしまうでしょう。一方で、見やすく洗練されたデザインで、製品情報や強みが整理されたサイトであれば「まさに探していた会社だ!」と信用してもらいやすくなります。ホームページを通じて信頼感を与えられれば、問い合わせ件数や引き合いの増加といった営業効果が期待できます。「サイト訪問者をいかに逃さず問い合わせにつなげるか」が営業強化目的のホームページ最大のポイントです。
さらに、最近ではホームページ経由で月に10件以上の問い合わせを獲得し、新規受注につなげている中小製造業の事例も珍しくありません。Web経由の引き合いが増えることで営業効率が飛躍的に向上し、地域や既存取引先に依存しない新規顧客開拓のチャンスが広がります。
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採用(リクルート)にホームページを活用する
人手不足が深刻な製造業界では、自社サイトを採用ツールとして充実させることも重要です。若手人材の採用競争が激化する中、求職者は求人サイトや会社説明会で企業名を知った後、必ず公式ホームページを訪れて情報収集するのが当たり前になっています。
特に近年の求職者は「どんな想いでものづくりをしている会社なのか」「働くとどんな環境・毎日になりそうか」「どんな社員がいて、具体的にどんな福利厚生や成長機会があるのか」などを非常に重視します。そうした情報をホームページでしっかり発信していないと、せっかく興味を持った候補者も応募をためらってしまいます。
逆に、社内の雰囲気や社員の声、社長メッセージ、福利厚生やキャリアパスなどが充実した採用情報ページがあれば**「この会社で働きたい!」という共感を生み出しやすくなります。採用目的の場合も、訪れた求職者にいかに自社の魅力を伝えきるか**がカギです。実際、ホームページをリニューアルして採用コンテンツを充実させた結果、応募者数が増加し人材確保に成功したメーカーもあります。「人が足りない…」とお悩みなら、自社サイトを見直すことが一つの打開策となるでしょう。
認知度向上・ブランディングに活用する
自社の製品や技術をより多くの人に知ってもらいたい、企業のブランドイメージを向上させたい、といった目的でホームページを刷新するケースもあります。BtoB企業であっても、取引先や求職者に対して企業イメージを訴求することはビジネスに有効です。
現代の市場では、製品の機能や価格だけでなく「その企業のストーリーや理念」に共感して取引先に選ぶ傾向があります。例えば環境への取り組みやSDGs、地域貢献など企業姿勢を発信することで、「信頼できるパートナー」というブランディングにつながります。また、自社製品を一般消費者向けに展開しているメーカーであれば、製品の世界観やブランドコンセプトをホームページ上で表現することがファンづくりに直結します。
このように、目的を明確にすることで「なぜホームページを作るのか」が定まり、次に「では誰に何を伝えるべきか」が見えてきます。目的に沿った適切な設計をすることで、ホームページは初めてビジネス成果に貢献する強力なツールとなるのです。
>ブランディングとは?を超簡単に解説!
デザインだけでは不十分!
製造業サイト制作で成功するポイント
ホームページ制作というとデザインに目が行きがちですが、成功のカギはデザイン以前の設計段階にあります。実際、「きれいなサイトを作ったのに全然問い合わせが来ない…」という失敗も少なくありません。ここでは、製造業サイトを作る際にデザイン以外で重視すべきポイントを解説します。
想定ターゲットを具体的に描く
まず重要なのは、ターゲット(想定読者)を明確にすることです。先ほど設定した目的に対して、「具体的にどんな人に見てもらい、どんな行動を起こしてほしいか」を意識しましょう。
例えば、
- 営業目的のサイトなら、「主な取引先担当者はどんな業種・役職の人か?」「これから取引を増やしたい〇〇業界のバイヤーは何に悩んでいるか?」といった視点で想定顧客像を考えます。
- 採用目的のサイトなら、「最近入社した若手社員は入社前にどんな点を不安に思っていたか?」「理系大学生の応募者はどんな情報を求めているか?」といった具体的な人物像を思い浮かべてみます。
可能であれば実在の顧客や社員をモデルにすると、生々しいニーズが見えてきます。ターゲット像がはっきりすれば、その人が知りたい情報、響くメッセージが自ずと明確になります。
自社の強み・独自性を洗い出す
次に、自社の**アピールポイント(強みや独自性)**を徹底的に洗い出しましょう。他社と比べた自社ならではの技術力、品質へのこだわり、柔軟な対応力、歴史や実績、社風など、あらゆる角度から「うちのウリは何か?」を考えてみてください。
「特別な強みなんてない…どこにでもある町工場です」という場合でも大丈夫です。例えば「丁寧な仕事がモットー」という会社であれば、「なぜそれが可能なのか?(熟練の職人が多数在籍、検査体制を強化、少量ロットでも真摯に対応等)」と掘り下げることで立派な強みに昇華します。
強みはできるだけ具体的な言葉にすることが大事です。「高品質」「柔軟対応」と抽象的に書くだけでは伝わりません。
数値や実績を交えて「〇〇工程の不良率0.1%を維持」「試作~量産まで一貫対応しリードタイム50%短縮可能」など、
根拠とともに示しましょう。こうした差別化要素を明確に打ち出せば、閲覧者に「この会社ならではの価値」が伝わり、問い合わせや発注につながりやすくなります。
必要な情報を網羅し、分かりやすく整理する
製造業のホームページでは、必要な情報を漏れなく載せることも信頼性アップに直結します。
ユーザーが求める情報をしっかり網羅して分かりやすく提供すれば、それだけで他社よりリードできる可能性があります。
掲載すべき情報は目的や業種によって様々ですが、例えば以下のようなものが考えられます。
- 製品・サービス内容: 取り扱い製品や提供サービスの詳細(仕様・用途・強み)。
- 技術・設備情報: 保有する設備機械や技術認証、加工可能な素材や精度など。
- 実績: 納入事例や取引先一覧、導入効果の具体例。
- 会社概要: 歴史や理念、担当者メッセージ、アクセスマップ。
- 問い合わせ窓口: 具体的な問い合わせ方法(フォームや電話番号)。
これらを単に羅列するだけでなく、ターゲットが探しやすい導線を設計することも大切です。
メニュー構成やページ内のレイアウトを工夫し、「知りたい情報にすぐたどり着ける」「読んでいて迷わない」サイトにしましょう。
専門的な内容が多い製造業サイトでは、図解や写真、動画を用いて直感的に理解できる表現にすることも効果的です。
(コラム)よくある失敗パターン
逆に、製造業ホームページ制作で陥りがちな失敗パターンも知っておきましょう。以下のようなケースには注意が必要です。
- デザイン優先で肝心の集客施策がない: 見栄えにこだわるあまり、肝心のキーワード対策やコンテンツが手薄になり、検索から人が来ない。
- 会社概要の羅列だけで魅力が伝わらない: 事業紹介を載せただけで、自社の強みや差別化ポイントが伝わらず、問い合わせにつながらない。
- 作って満足して放置: 公開して終わりにしてしまい、その後のアクセス解析や改善を行わないため効果が出ない。
こうした事態を避けるには、やはり事前の戦略設計と公開後の継続改善が不可欠です。次章では、目的別にどんなサイト内容・コンテンツが求められるかを見ていきましょう。
製造業ホームページの成功事例(実例紹介)
実際にホームページの新規制作やリニューアルで成果を上げた製造業企業の事例をいくつかご紹介します。自社サイトの改善ポイントを考えるヒントにしてください。
金属スクラップの回収・運搬・加工・販売を行う企業。長い歴史と高い品質管理体制を背景に「三浦ブランドなら安心だ」と言われる信頼感ある企業イメージを打ち出したいとのご要望をいただきました。そこで、以前に続き2度目となるサイトリニューアルでは、「We are / the brand」というキャッチコピーをトップページに据え、作業現場の迫力が伝わる動画や多数の写真をレイアウトすることで臨場感を演出し、「信頼感」とともに「かっこいい」企業像を表現することができました。
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板金加工から塗装・組立までをワンストップで対応できる体制を強みに、試作から量産まで一気通貫で支える精密部品製造の企業。既存取引先への安定供給に加え新規顧客開拓を見据え、品質・スピード・提案力という同社の価値をより鮮明に伝えるため、コーポレートサイトのリニューアルをご依頼いただきました。サイトでは製造工程「板金→塗装→組立」の一貫体制を直感的に理解できるよう、動画や現場写真、インフォグラフィックを組み合わせた導線設計を採用し、余白を活かしたクリーンなレイアウトとコーポレートカラーの緑で“洗練・堅実・モダン”な印象を統一。また採用面では「ものづくりが好きな若手人材」に響くコピーを盛り込み、ブランドの魅力を多面的に発信するサイトを実現しました。
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鋼材の販売から鉄鋼加工製品の製作・施工までをワンストップでコーディネートできる商社機能を持つ鉄鋼関連企業。今回のWebサイトリニューアルでは、ファーストビューに画像を置かず力強いキャッチコピーを大きく配置し、背景には頭文字「K」が基盤を支えるモチーフとなるアニメーションを採用することで、企業理念と「鉄、ひとすじ。」の精神を直感的に表現しました。デザイン面では青を基調に清潔感と安定感を演出し、事業内容や5つの強みを体系的に整理するとともに、現場や社員の写真を組み込み誠実な姿勢を伝達。結果として、コーポレートブランドの信頼性を高めつつ、採用や実績紹介への導線を強化するサイトを実現しました。
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鋼板の切断・溶断、穴加工、開先加工を中心に、溶接や組立加工まで幅広く対応する金属加工企業。新工場への移転を機に、設備や拡大した事業領域を効果的に発信したいとのご要望から、Webサイトをリニューアル。夜の工場でスポットライトを用いて撮影した迫力ある映像をトップページに据え、「さあ、想像以上の町工場へ」のキャッチコピーや取材原稿、採用コンテンツを組み込み、新しい企業像を力強くアピールしました
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自動車や消臭フィルターなど幅広い分野で快適な空間づくりを行う企業。地元での就職を検討する高校生に向けて、“地元就職”の魅力や企業文化、製造業の面白さを伝えたいとのご要望から、リクルートサイトを制作しました。コンセプトは「社会人のスタートは、おかえりが聞こえる場所から。」とし、コーポレートカラーの青を基調に視認性と操作性を重視したデザインを採用。社員の写真やインタビューを通じて職場の温かさを表現し、不安を和らげ前向きな気持ちにつながるサイトを実現しました。
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プリント基板の製造を手がける企業。今回のコーポレートサイトリニューアルでは、古い情報を刷新し、新規顧客獲得と新卒採用強化を目的に制作を実施。「断りません!負けません!」という信念をダイナミックなタイポグラフィで打ち出し、社内一貫生産による高い対応力や業界最速クラスの納期を動画や写真で直感的に表現しました。さらに、基板製造事例や設備紹介で信頼感を高め、採用情報ページでは社員の声を通じて活気ある職場の雰囲気を伝えるなど、“働く熱量”を感じられるサイトに仕上げています。
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これらの事例からも、自社の強みを的確に表現することやビジュアルコンテンツの活用が成果につながっていることが分かります。自社サイトをチェックする際は、「写真や動画で伝えられる部分はないか?」「強みが一目で伝わるデザインになっているか?」といった視点も取り入れてみましょう。
目的別:製造業ホームページ制作のポイントとおすすめコンテンツ
製造業と一口に言っても、ホームページの内容や構成は目的によって最適解が異なります。ここでは「集客用サイト」「採用サイト」「ブランディングサイト」の3つに分け、それぞれで重視すべきポイントとおすすめコンテンツを紹介します。
集客・営業向けサイトのポイント
新規顧客の獲得や営業効率アップを狙う場合は、自社の強みや対応可能な業務を余すところなく伝えるサイトにすることが重要です。
検討中の顧客が知りたい情報をすべて載せ、問い合わせのきっかけを増やしましょう。
▼おすすめコンテンツ(一例)
- 事業・サービス紹介: 提供している加工サービスや製品ラインナップの一覧。対応素材やロット、業界なども具体的に記載。
- 強み・差別化ポイント: 「〇〇の分野に特化」「試作1個から対応」など、自社ならではの特長を打ち出すページ。
- 設備紹介・技術資料: 保有設備の写真やスペック一覧、加工プロセスの紹介。技術カタログや加工精度表などもあると信頼度アップ。
- 製品写真・加工事例: 実際に製造した部品や装置の写真、導入された製品の事例紹介。画像で技術力を直感的にアピール。
- お客様の声・実績: 取引先企業からのコメントや、納品による効果(「不良率が△△改善」等)を掲載。
「まだ実績は少ない…」という場合でも、「対応可能なことは積極的に掲載」しましょう。
たとえ過去に実績がなくとも受注可能な分野であればサイト上に明記しておくことで、思いがけない引き合いに繋がることもあります。
採用向けサイトのポイント
新卒・中途問わず採用強化が目的の場合、求職者が「この会社で働くイメージ」を具体的に持てるコンテンツ作りがポイントです。
会社の魅力やリアルな情報を伝え、入社後の自分を想像してもらいましょう。
▼おすすめコンテンツ(一例)
- 採用コンセプト・メッセージ: 企業理念やビジョン、人材育成方針などを分かりやすく伝えるメッセージページ。
- 募集要項・待遇: 職種ごとの仕事内容や応募資格、給与・福利厚生など、応募に必要な情報を網羅。
- 社員インタビュー・座談会: 若手社員やベテラン社員の生の声を掲載。入社の決め手や仕事のやりがい、社内の雰囲気などを語ってもらう。
- 職場の1日紹介: 現場社員のとある一日を追った記事や写真。働くイメージが湧き、現場環境も伝えられる。
- 教育制度・キャリアパス: スキルアップ研修や資格取得支援、社内のキャリアパス例など、成長支援の仕組みを紹介。
ブランディング(企業イメージ)向けサイトのポイント
商品や企業の世界観を伝えることに主眼を置く場合、デザインやコンテンツも感性に訴えるアプローチが有効です。
単に機能を説明するだけでなく、ストーリー性やビジュアル表現でブランドファンを増やしましょう。
▼おすすめコンテンツ(一例):
- キービジュアル・キャッチコピー: トップページに自社の世界観や価値観を象徴する画像と短いコピーを配置。訪問者の心を掴む第一印象に。
- 製品へのこだわり・開発ストーリー: 製品が生まれた背景や開発秘話、ものづくりへの想いを語るコンテンツ。読み物的に面白くする。
- ブランドメッセージ: 「〇〇を通じて社会に貢献する」等の理念やビジョンを、ユーザー目線で綴ったメッセージページ。
- 美麗な製品写真や動画: スタジオ撮影した製品画像、イメージ動画などで視覚的に訴求。製品の使用シーンやビフォーアフターを見せるのも効果的です。
- 顧客の声・コミュニティ紹介: エンドユーザーやファンの声、活用事例を紹介し、ブランドの価値を第三者視点でもアピール。
ブランディングサイトではデザインのトーン&マナーを統一し、自社のカラーや雰囲気を印象付けることが大切です。
「誠実」「先進的」「遊び心」など、ブランド人格に沿ったデザイン演出を心がけましょう。
ホームページ制作にかかる費用と効果の考え方
続いて、気になるホームページ制作の費用面についても触れておきます。制作会社によって見積もりは様々ですが、その内訳や相場観を知っておくと予算検討の参考になります。
初期制作費用の相場と内訳
一般的な製造業コーポレートサイト(10ページ前後、問い合わせフォームあり)の場合、初期制作費用は50万~150万円程度が一つの目安です。もちろんページ数やデザイン凝縮度、システム開発の有無によって上下しますが、平均すると100万円台になるケースが多いようです。
費用の内訳としては、主に下記のような項目が含まれます。
- 企画設計費: ヒアリングやサイト構成策定、コンテンツ企画にかかる費用。
- デザイン費: ワイヤーフレーム作成、ビジュアルデザイン制作費用。
- コーディング・システム開発費: HTML/CSSコーディングやCMS導入、必要な機能のプログラミング費用。
- コンテンツ制作費: 原稿ライティング代行、写真撮影、イラスト制作、動画制作などの費用。
- SEO基本対策費: 初期のキーワード調査やメタタグ設定、解析ツール設定など。
制作会社によって人件費や得意領域が異なるため、同じ要件でも見積額に差が出ます。また、企業サイト制作はオーダーメイドのため、家を建てるのと同じで「何をどこまで作るのか」が決まらないと正確な費用は出せません。ページ数、デザインの凝り具合、独自システムの要否、写真素材の準備状況などを整理し、複数社から見積もりを取って比較すると良いでしょう。
参考: 当社ではお客様のご要望を丁寧にヒアリングし、「○○ページ構成で、このような内容を盛り込みましょう」といったご提案をしながら見積もりを算出しています。必要以上の過剰提案はせず、本当に成果に繋がるサイトに必要な作業だけをご提案する方針です。
ランニングコスト(月額費用)の考慮
ホームページは公開後にも維持費がかかりますが、多くは比較的小額です。主なランニングコストは以下の2つです。
- サーバー・ドメイン費用: ホームページを公開する際に必要なサーバーレンタル料と、独自ドメイン(例: 〇〇.co.jp)の年間費用です。こちらは合わせて月額1,000〜2,000円程度が相場です。※規模やアクセス数によって変動。
- 保守・更新サポート費用: 制作会社にサイトの保守管理や定期更新を依頼する場合の費用です。内容によりますが月額1万円前後のプランが多い傾向です。自社で更新できる場合は必須ではありません。
ドメイン費用などは固定的なものですが、保守契約は必要に応じて検討しましょう。「自社でブログ記事を更新したい」「何かトラブルが起きた時にすぐ相談したい」という場合は契約しておくと安心です。逆に静的な企業情報サイトであまり更新しない場合は、都度スポットで依頼する方式でも問題ありません。
費用対効果を最大化するには
「製造業サイト制作に百万円前後の投資はペイするのだろうか…」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、適切なサイトを作れば問い合わせ件数が倍増するなど十分に費用対効果を上げることが可能です。
ポイントは、サイト公開後の運用で効果を高めていくことです。アクセス解析でどのページが見られているか、検索順位はどうかをチェックし、コンテンツを改善していきます。例えば狙ったキーワードでまだ上位表示できていなければ記事を追加する、アクセスが多いページに問い合わせ導線を追加する、といった工夫で成果は継続的に向上します。
Webマーケティングは公開して終わりではなく、育てていくものです。逆に言えば、小さく始めて徐々に改良しながら効果を出すこともできますので、最初から完璧を求めすぎずに運用前提で計画することが肝心です。
制作会社を選ぶ際のチェックポイント
最後に、ホームページ制作を外部のプロに依頼する場合の制作会社選びのポイントをお伝えします。
製造業サイトの場合、以下の点をチェックすると良いでしょう。
- 製造業の実績・知見があるか: 製造業界の案件を多く手がけている会社は、業界特有の専門用語や商流を理解しておりヒアリングもスムーズです。図面や技術の話も噛み合いやすく、ミスマッチのないサイトが期待できます。
- 「集客できるサイト」の実績があるか: 制作実績の数だけでなく、公開後に問い合わせ増加など成果を上げた事例を提示できる会社だと信頼できます。単に見栄えの良いサイトを作るだけでなく、その先の集客や反響まで見据えて支援している会社を選びましょう。
- 戦略的な提案をしてくれるか: 単なる下請け的に言われたまま作るのではなく、こちらの目的に沿ってサイト戦略やコンテンツ内容を提案してくれる会社が理想です。「この業界ならこういう切り口が効果的です」といった提案があるかチェックしましょう。
- SEO対策のノウハウは十分か: Google検索経由での集客がカギとなるため、SEOに強い会社を選びましょう。狙ったキーワードでの上位表示実績や、技術系コンテンツのライティング力があるかがポイントです。
- 公開後も伴走してくれるか: Webサイトは公開後の運用・改善が成功の決め手です。定期的なレポートや改善提案など、成果が出るまでサポートしてくれる会社かどうかを確認しましょう。「更新は言われた通りやります」程度ではなく、課題に寄り添いPDCAを回してくれるかが理想です。
以上の点を踏まえてパートナーを選定すれば、初めてホームページ制作をする方でも大きな失敗は避けられるはずです。不安な場合は複数社に相談し、提案内容や対応を比較してみることをおすすめします。
製造業のホームページ制作についてのまとめ
製造業のホームページ制作は、目的を明確に定め、ターゲットに合わせた情報発信と自社の強みの的確なアピールが成功の鍵を握ります。ただ見栄えが良いだけでなく、見込み顧客や求職者の心を掴み行動を促すサイトを目指しましょう。
そのためには、デザイン前の戦略設計からコンテンツ作り、公開後の改善まで一貫した取り組みが欠かせません。
幸い、インターネットによる集客・採用は中小企業でも取り組みやすい時代になりました。実際にホームページ経由で月数件~数十件の引き合いを安定して獲得している中小製造業も数多く存在します。皆様の会社でも、ぜひホームページをフル活用して営業力強化や人材確保、ブランド力向上に繋げていただきたいと思います。
OKデザインでは、製造業特化の豊富な実績とSEOノウハウをもとに、御社の強みを最大限に引き出すホームページづくりをご支援します。まずはお気軽にご相談ください。
▼この記事を書いたヒト
室谷拓実(むろや・たくみ)
株式会社ええやん副社長。元WEB広告代理店マン。累計70社以上のWEB制作・マーケティング・SEO・ブランディング支援のプロジェクトに従事。「寄り道バンザイ」を合言葉に、仕事と遊びを混ぜながら生きてます。






