| 担当 | 戦略設計/ディレクション/原稿制作/デザイン/コーディング/CMS実装 |
| URL | https://bus-expert.com/ |
「運用にお金はかけられない。でもリニューアルはしたい。」
このプロジェクトは、そんなご相談から始まりました。
大阪で幼稚園・学習塾・企業向けに送迎バスドライバーの派遣サービスを展開する株式会社エキスパート様。リニューアル前のサイトからの問い合わせは、年間で実質ゼロ。それでいて、広告を出し続ける予算も、毎月のSEO運用に投資する予定もない。つまり公開後の「伸びしろ」に頼れない——リニューアルの時点で、問い合わせが取れる設計に仕上げきる必要がありました。
結論から言うと、この狙いはうまくいきました。1年後の数字がこちらです。
リニューアル1年後の結果
| サイト訪問者 | 年間2,015人(月平均 約170人) |
| 問い合わせ | 実質0件 → 年間35件(訪問およそ100回に1件) |
| 広告費・運用費 | 0円 |
この問い合わせから受注が生まれ、ホームページのリニューアル費用は1年で回収。ホームページへの投資は黒字化しました。
月170人というアクセス数は、一般的な企業サイトと比べると正直少ない数字です。ただしこれには理由があります。ひとつは業種柄——ドライバー派遣は、発注を検討している担当者しか検索しない分野で、検索する人の絶対数がそもそも少ないこと。もうひとつは、記事更新などの運用型のSEOを一切やっていないことです。ドメインの強さを示す指標(ドメインレート)も100点満点中わずか2点、SEOの世界では「ほぼ無名のサイト」という評価でした。
それでも成功した理由は、「率」の高さにあります。訪問およそ100回に1件という問い合わせ率は、この種のサイトの目安水準を確保する数字。数は少なくても、来ているのは”発注直前の濃い見込み客”ばかりで、その人たちを確実に問い合わせに変えられた。だから少ないアクセスのまま、投資回収まで届いたのです。問い合わせは公開の翌月から入り始めました。
運用ゼロでなぜこれができたのか。何をどう設計したのかを、順にご紹介します。
前提:SEOには「作る前のSEO」と「作った後のSEO」がある
SEO対策は、大きく2つに分かれます。
ひとつは「作る前のSEO」。どのキーワードで見つけてもらうかを決め、それに合わせてサイトの構成・ページの分け方・各ページのタイトルや説明文を設計する。サイトを作る工程そのものに組み込む対策で、制作時に一度やれば効き続けます。
もうひとつは「作った後のSEO」。記事やお役立ちコンテンツを追加したり、他サイトからリンクを獲得したりして、公開後に順位を伸ばし、維持していく対策です。こちらは継続的な運用—つまりランニングコスト—が必要になります。
世の中でSEOというと後者(記事や被リンク)の話になりがちですが、今回は運用にお金をかけられない前提。だからこそ、「作る前のSEO」に全振りする——それが私たちの取った方針でした。
制作背景と課題
大阪で送迎・通勤・習い事送迎など幅広いドライバー派遣サービスを展開するエキスパート様。従来のWebサイトは、サービス内容の信頼性は伝わるものの、他社との差別化や企業の人柄までは十分に表現できていませんでした。特に、現場スタッフの”細やかな気配り”や”親しみやすさ”といった強みを、訪問前のオンライン接点でどう伝えるかが課題でした。
そこで戦略設計の段階で、目指す姿をひとつの言葉に定めました。「大阪で親切・丁寧対応で、送迎といえばエキスパート」。想定したお客様は、園児120名規模の幼稚園の園長先生のような、送迎バスの管理も担う責任者です。安心して任せられる相手を探している人に、まじめさと親切さのレベルが”エキスパート級”であることが伝わるサイト——これがゴールです。
設計方針1:発注直前の人に「見つかる」構成にする(作る前のSEO)
「バス 大阪」のような大きなキーワードは、大手がひしめき、検索する人の大半はまだお客様になりません。狙ったのは、もっと具体的な言葉です。
- 「ドライバー派遣会社 大阪」→ 検索3位
- 「マイクロバス 運転代行」→ 検索3位
- 「送迎バス 企業」→ 検索9位(1ページ目)
※検索順位は2026年4〜7月時点
これらは月に数十回しか検索されない言葉です。しかし検索するのは、いままさに発注先を探している担当者。この言葉に合わせて、幼稚園バス・スクールドライバー・マイクロバス運転代行・習い事送迎など対応ケース別にページを分け、それぞれのページ構成・タイトル・説明文を作り込みました。
実際、受注につながったのは企業送迎の案件で、検索から「企業向け送迎ドライバー派遣」のページに直接たどり着き、平均52秒——このサイトでは最長クラスの時間——読み込んだ上での問い合わせでした。狙い通りの動きです。
設計方針2:来た人を逃さないデザインにする
アクセスが少ない前提なら、来てくれた一人ひとりに確実に伝わるサイトにするしかありません。デザインコンセプトは「シンプルさの中に遊び心、真面目さの中に温かみ」。クールな印象の競合他社と差別化し、親しみやすく・柔和で・誠実なポジションを取りにいきました。
- ビジュアル:トップには「見ざる・聞かざる・言わざる」をモチーフにした縁起物を配置。ユーモアを交えつつ、目配り・気配り・心配りを象徴化
- コピー:キャッチコピーは「この気配り、エキスパート。」。会話調のメッセージで安心感を訴求しながら、プロの技術と見逃さない姿勢を強調
- レイアウト:ファーストビューでキャッチコピーとビジュアルを大きく打ち出し、下層はカード型レイアウトで対応ケースを整理
結果、検索から来た訪問者の平均滞在時間は105秒(直接アクセスの約4倍)。訪問に対する問い合わせ率は約1.0%と、この種のサイトの目安水準をきちんと確保しました。
エキスパート様からは、こんなお話も伺いました。相見積もりの相手先だった病院のご担当者から「ホームページ、いいですね」と直接言われたそうです。ホームページは、比較検討の場面でも働いていました。
この事例から言えること
アクセスを増やす施策(広告や「作った後のSEO」)は、それ自体は間違いではありません。ただ、順番が逆なのです。
「誰に見つけてもらい、来た人にどう動いてもらうか」が設計されていないサイトは、アクセスを増やしてもザルに水を注ぐことになります。逆にそこが設計されていれば、運用費をかけなくても、月170人のアクセスでも、投資を回収して黒字化する受注は生まれます。
「ランニングにお金はかけられない。でもホームページから問い合わせがほしい」——同じ悩みをお持ちの方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。自社サイトが「見つかる設計」になっているか、無料で拝見してお答えします。

